ゴジラとか芥川賞とか

今回はこちらです↓

15点!

星雲賞やら芥川賞やら受賞してて、最近は「ゴジラS.P」の構成・脚本もやってる、作品も含めてなんだかスゴい円城塔+最近(1000番台)のハヤカワ文庫JAを集めてみました。

ちなみにワタクシ、“なにやら小難しそう”という理由で最初は円城塔を敬遠していたのですが、『屍者の帝国』がものすごく面白かったので、その勢いで『Self-Reference ENGINE』を読んだらまぁこれが面白いこと!

いまや、2000年代デビューの作家さんのなかでは一番のお気に入りになっております。

FOR OUR FUTURE CHILDREN

今回はこちらです↓

文庫が14点!
珍しくライトノベルが何冊か入っております。

この中で、「ドラグネット・ミラージュ」は前回入荷しときに、今は「コップクラフト」でシリーズ継続中ですよーてなことを言ってオススメしたかと思うのですが、今回取り上げたいのはあと一つ「ブレイク-エイジ」の方です。

 

「ブレイク-エイジ」って言っても何じゃそれは?って人が多いと思いますが、もともと馬頭ちーめいの漫画でして、デザインその他スタッフワークとして参加しているSTUDIOねむとの共同名義で発表されています。

で、そのあらすじは……

“21世紀初頭、ネットワーク型ロボットバトルシミュレーション「デンジャー・プラネット」を巡る、少年と少女の物語”

と書くとなにやら固そうですが、コンピュータゲームの世界を舞台にした青春ラブコメだと思ってもらってまず間違いないですw

さてこの漫画、魅力はいろいろとあるのですが、個人的には 架空のゲーム「デンジャー・プラネット(DP)の魅力 がデカい。

DPはゲームセンター「コニーパレス」で稼働している体感型ロボットバトルシミュレーターで、ネットワークで全国のゲーセンと繋がっているのが特徴。バトルロイヤルやフラッグ戦など様々な形式で多人数対戦ができます。
現実だと「戦場の絆」をイメージしてもらえると近いかと。

そしてもうひとつ、DPの大きな特徴となるのが、プレイヤーがゲーム内で操縦するロボット「バーチャル・パペット(VP)」の存在。

VPには大型から小型のものまであり、なかには空を飛べるもの(一応VUとして別カテゴリ)まであります。
ゲーム内には複数の機体が用意されていて、もちろんそれも使用できるのですが、VPの面白さはなんといっても機体のカスタム!
VPはシステムが許す範囲であればカスタマイズが可能なんですが、この「システムが許す範囲」がすごくて、腕に覚えがあれば骨格どころかビス1本からのカスタムも可能という自由っぷり。

主人公の乗る「九郎」やヒロインの操る「ベンケイ」もフルカスタム機なんですが、物語が進むにつれて、ライバルに勝つために極端に軽量化したり武装を変えたり、果ては合体機能まで備えるなど、キャラクターたちが試行錯誤しながらカスタムの腕を上げていくのも読みどころのひとつになっています。

主人公の駆る「九郎」(左)と「ロアゾオ・ブルー」に登場する主役機(右)
[出典:『ブレイク-エイジ・オフィシャルワークス』]
骨組みが剥き出しになる独特のデザインも魅力の一つ

ところで、こういうカスタム可能な機体を操縦してネットワーク上で戦うゲームって、何か連想しませんか?
そうです、この作品、設定的にはオジサン世代が夢中になった「プラモ狂四郎」の子孫で、ついこの間まで配信されていた「ガンダムビルドダイバーズ」のご先祖様でもあるんです。

“オレの作ったロボットで戦うぜ!”みたいなのが好きな人には、ホントにたまらない作品だと思います。

そして、こういうワクワクするようなゲーム世界を舞台に展開される、少年少女たちのコミカルで、時にシリアスな物語もこの作品の魅力の一つ。
面白い漫画の必須条件として、魅力的なキャラクターたちが作品の中でイキイキと躍動していることがあると思いますが、「ブレイク-エイジ」にもその条件がピッタリと当てはまります。

で、このような漫画の魅力をそのままに、活字を使って世界を広げたのが小説版というわけです。

こちらは売り物ではなく私物のコレクション。
このほかに「ブレイク-エイジ」はコミック1巻をベースにOVAも製作されています。

↑コレを見ていただけるとお分かりかと思いますが、ワタクシ自身「ブレイク-エイジ」に夢中だった一人なんですw
就職したての頃、友人の家でなぜか3巻を読んですぐにハマったのを思い出すなぁ。

ちなみに、小説版でオススメなのは、最初に書かれた「戦士たちの夏」(篠崎砂美 著)
少年の成長をゲームを通じて描いた、とても優れたジュブナイルです。

いまでは電子版で比較的手軽に読めますので、まずはコミックを試していただいて、気に入ったら小説の方にも手を伸ばしていただけると、ファンとしては嬉しいなぁ。

さっきも書きましたが、「プラモ狂四郎」や「ガンダムビルドダイバーズ」が好きな人にはホントにオススメの作品です!

ぜひ!

文系SF読みのシン・エヴァンゲリオン劇場版雑感

タイトルの話の前に、まずは今回の入荷案内を↓

ハヤカワ文庫JAを14点!
1980年代~2000年代まで新旧いろいろでございます。
短編集が多めになってますので、ひとつよろしくお願いします。

 

さて、本題です。
公開から1ヵ月近く経ちましたので、もうそろそろネタバレだの気を遣わなくても大丈夫でしょう。

とはいえ……

ここから「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の感想になります。
内容に触れずに書くのは困難なので、ネタバレなど気にされる方はご注意ください。

 

さあ、お約束の警告もしましたよ!w

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版(長いので以下、シン劇)観ました!
もうすでに各所でいろんな感想、評論、考察が溢れていると思いますが、ここでは文系SFファンの視点での感じたあれこれを書き散らかしておこうかと思います。

 

1)新設定(?)「エヴァンゲリオンはループしている」

シン劇で導入された(若しくは明確にされた)大きな柱に「エヴァンゲリオンという物語は何周もループしている」があります。
エヴァの世界は一つの物語であって、劇中の人物はそのストーリーを何回も何回も繰り返して試行しているのだという設定です。

小説でいえばボルヘス「円環の廃墟」やディック「時間飛行士へのささやかな贈り物」
映画では「恋はデジャ・ヴ」が代表的なところですが
最近の人なら「魔法少女まどか☆マギカ」や「エンドレスエイト」といった方が話が早いかもしれません。

私はそうきたか!と思うと同時に、そうするしかないよなという気分にもなりました。
庵野秀明はこれまで何回もエヴァンゲリオンを終わらせようとしています。
で、そのたびに失敗してます。皆さんご存じのとおり。
それらの失敗を全部引き受けて、なおかつ出口に導くには、この設定以外の方法はあり得ないからです。

つまり、TV版、旧劇場版そして新劇場版、さらにいえばゲーム「鋼鉄のガールフレンド」やオルタナストーリーの「ANIMA」も、実在した「何周目かのエヴァンゲリオン」ということです。
「さらば、全てのエヴァンゲリオン」というのは、そういうことです。

さらにいうと、冒頭のパリ対決のシーンは「ふしぎの海のナディア」を連想するし
エンディング実写パートの山口県宇部は「式日」の舞台という具合に
庵野のフィルモグラフィーそのものの総括でもあるのかなという気もします。
気づきませんでしたが、探せば「ラブ&ポップ」などを連想する部分もあるかもしれません。

 

2)真希波・マリ・イラストリアスの謎

エヴァ搭乗者として設計されず、そもそも14歳でないことが明らかになったマリですが
歳を取らないのはエヴァの呪い(そういうものだと思え!)だとして、そもそもどうしてエヴァに乗れたのかは疑問として残ります。
エヴァがループしているという設定に則れば、これも今回の周回でユイの後にエントリー実験を行った最初期の被検体だったとでも考えると理屈はたちますが……。

観た方はお分かりのように、今回のシン劇ではマリの存在はかなり重要です。
ラストにシンジの側にいるのが母親or姉妹のレイではなく、初恋のアスカでもなく、成長の過程で出会ったマリだというのは作品のテーマと相まってとても説得力があります。
だれかが(Twitterだったかな?)で「最後に主人公=庵野の側にいたのは、マリ=安野モヨコだった」てなことを言ってましたが、スゴく腑に落ちましたね。

 

3)渚カヲルの謎

終盤、渚司令なる立場で出てきますが、あれはなんだったんでしょう?
前述の設定を鑑みると、ゲンドウが早々に退場した後にNERVの司令についた何周目かの姿だということかもしれません。

また、ちと飛躍すると、あのカヲルはゲンドウだったのだという考え方もあります。
旧劇版で、ゲンドウがアダムを手のひらに取り込んでいたことを思い出してください。
ゲンドウに取り込まれたアダムが逆にゲンドウを侵蝕して使途=カヲルになったのかもしれません。
これだと、自分をゲンドウに渡した加持をリョウちゃんと親しげに呼ぶのも分かりますし
なによりラストシーンでレイ(要はユイ)とカヲル(つまりゲンドウ)が一緒にいることの説明もつきます。

とはいえ、これも私なりの一つの解釈なので
ホントのところは分からないし、分からないでいいんです。
そういう隙を意図的にたくさん残しているのが私たちの知ってるエヴァンゲリオンだし、それこそが25年もオタクを惹き付けている要因なので。

 

このほか、もちろんサービスサービスぅ!な部分も満載で
ヴンダー戦がいちいちNノーチラス(つかヤマト)みたいだとか
最終決戦の同型艦との闘いは沈黙の艦隊だな!とか
一番良いところでさよならジュピターなのかよ!とか
実は情報量が多くて映画的に見どころあるコミューンのシーンとか
やっぱり肉は喰わないんだな!w とかとか
いろいろいろいろあるんですが、まぁそこら辺のオタクヨタ話は言い出したらキリがないので、友達とリモート飲み会とかで存分に語り合ってくださいw

 

ちなみに一緒に観た友人と共通の感想は
シン三部作(勝手に呼んでいる)の三作目、シン・ウルトラマンも期待できるな!
でした。

自分の中で大きな宿題にケリをつけた庵野秀明が、次に何を見せてくれるのか
そういう興味を抱かせてくれるのが、今回のシン劇でありました。
でなきゃ「幕末太陽傳」のシナリオ版よろしく、空撮で物語の外に解放していくラストになってる意味がないじゃないですか。

久しぶりに青背

SNSでの告知からだいぶ遅れてしまいましたが、今回の入荷はこちら↓

アシモフのファウンデーション&ロボットもの各々後期の作品
これにベアの2冊を加えて計14点でございます。

タイトルどおり青背は久しぶり

今後も定期的に上げていきますのでひとつよろしくお願いします。

エヴァンゲリオン同期の作品を調べてみよう!

今回はこちら↓

ハヤカワ文庫の小川一水がまとめて入りましたので、14点一気出しでございます。

シリーズ物と短編集がメインですのでこの機会にぜひ。

  

さて、ワタクシ先日「シン・エヴァンゲリオン」を観てまいりました。

ご多分に漏れず、言いたいこと言わんでもいいこといろいろあるんですが、それはしばらく経ってからということで、今回は少し違う視点から「エヴァ」を振り返ってみようかと思います。

テレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」が始まったのは今から約25年前、1995年なんですが、その同じ時期に何があったかといいますと……

【映画】
・金子修介の平成ガメラ1作目「ガメラ 大怪獣空中決戦」
・平成ゴジラ最終作だったはずの「ゴジラvsデストロイア」
・押井守の代表作、士郎正宗原作の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」
・モノクロ短編「ラ・ジュテ」が原作の、テリー・ギリアム「12モンキーズ」
・このほか、大友克洋原作のオムニバス「MEMORIES」、ミニシアターで人気を博したジャン=ピエール・ジュネ「ロスト・チルドレン」、珍品扱いされてる(無理ないけどw)「JM」などなど。

【テレビアニメ】
・ガンダムは女性ファンをガッチリつかんだ「新機動戦記ガンダムW」
・勇者シリーズはコミカル路線でちょっとエルドランシリーズを思わせる「黄金勇者ゴルドラン」
・当時、たぶん一番マニア人気があった「スレイヤーズ」
・そのほか、OVAの好調を受けたテレビシリーズ「天地無用!」とマニア評価の高かった「飛べ!イサミ」など。
・少女向けアニメでは「セーラームーン」はSuperSの頃で、ブームを受けて「ウェディングピーチ」「ナースエンジェルりりかSOS」「怪盗セイント・テール」と二匹目のドジョウ作がバンバン作られてました。
・ちなみに、次の年の1月(エヴァはまだ放送中)に「名探偵コナン」が始まってます。

【SF小説】
・翻訳では、なんといってもダン・シモンズ『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』
・ほかにはコニー・ウィリスのヒューゴー/ネビュラ受賞作『ドゥームズデイ・ブック』、キム・ニューマンのオルタナティブもの『ドラキュラ紀元』、スティーヴン・バクスターのハードSF『時間的無限大』
・国内では瀬名秀明のデビュー作『パラサイト・イヴ』、梅原克文『ソリトンの悪魔』、北村薫『スキップ』など。
・このほか、架空戦記の勢いはまだ衰えず、ライトノベルが大人の読者を獲得しつつある時期で、復刻版『S-Fマガジン No.1-3』が出たのもこの年。

ということで並べてみましたが、なんというか’95年はエラく濃い年ですな。
「ガメラ」と「攻殻機動隊」「12モンキーズ」が同時に公開されて
「ガンダムW」と「スレイヤーズ」が人気を集めながら、ちょっとあとに「コナン」が始まって
「ハイペリオン」二部作と『パラサイト・イヴ』が出版されてる!
「エヴァ」含めて、いまに影響を与えているコンテンツがドカッと産み出されているのがこの年なんですね。

実際、自分も上記のコンテンツについていまだにああだこうだ言ってますからね。
なかなかに罪深い年ではありますw

ちなみに、「エヴァ」の影響を受けて作家性全開のアニメが深夜テレビで堂々と放送されるようになるのはこれから数年後のお話なんですが、それはまたいずれ。

ファンタジー沼(というか海)

はい、今回はこちら↓

ご覧のとおり海外ファンタジー、ハヤカワ文庫FTが12点です。

ひとくちにファンタジーといってもいろいろありますね。今回の並びを見てるとよく分かります。

おとぎ話風(ガラスびんの中のお話)やヒロイックファンタジー(カメレオンの呪文妖魔の騎士)、ユーモアもの(勇者にふられた姫君魔法の眼鏡)にスリップストリーム(プリンセス・ブライド奇術師)、ホラーもファンタジーに含まれますしね(幻影の航海

SFもそうですが、ファンタジーはホントに広いジャンルを包括しますよね。

幻想風味が加わるとジャンルに入ってきますし、純文学とも昔から親和性が高いですし。

はじめてのリットーミュージック

確定申告が手間取ってしまったので先週は更新できませんでした。

ホントは楽勝のはずだったんですがねぇ。e-Tax使ったら躓いてしまいましたトホホノホ……

んが、無事提出もできましたので(電子申請だとなんかミスってそうで怖いw)今回からまたドシドシ出していきますよー!

てことでこちら↓

角川や河出など文庫が13点!

河出文庫の『NOVA+』は円城塔+伊藤計劃『屍者の帝国』と世界設定を共有しているアンソロジー。

シェアードワールドものって基本お祭りなので楽しいんですよね。元ネタの『屍者の帝国』は面白いし。

ちなみに、今回は萩尾望都手塚治虫のエッセイも入れました。

手塚治虫のエッセイは立東舎(リットーミュージック)の発行。

リットーミュージックって音楽関係の○○マガジンとか出してる印象だったんで、こういうの出してるのを知ったのは結構意外でした。

立東舎レーベルでは漫画や映画関係に力を入れているようで、そっち関連を仕入れるとこれからも見ることがありそうです。

ベテラン+架空戦記+α

はい今回はこちら↓

ベテラン作家+架空戦記で13点

ベテラン勢は平井和正、半村良に高齋正と小松左京、これに田中光二の各文庫。

架空戦記はウェルズの古典を継いだ大戦ものと佐藤大輔などの短編集録のアンソロジーとなっております。

これに加えて、夭折の作家、鈴木いづみの選集も入荷しとります。
いまでは名のみ知られる存在になりつつありますが、入門にもってこいの選集ですので、未読の方はこの機会にぜひ。

おめでとうございます⊿

本日は建国記念の日でございますな。

そんな祝日に更新するのはこちら↓

海外作品が12点!

このところ叢書を並べてましたが、今回はいろいろと。

アンソロジーやホラー、スペオペ、宇宙開発ものノンフィクションをダン・シモンズで挟んでおりますw

このところノベライズとか国内作品が続いたので、海外プロパーは久しぶりですな。

2000年代の日本SF(続き)

今回はこちら↓

前回に続いてハヤカワSFシリーズ Jコレクションを中心に、国内SF11点。

Jコレクションはシリーズ後半(背表紙が青くない!)、他の作品も2010年代の刊行です。

前回、Jコレクションが叢書としての役割を終えたかもってなことを書きましたが、話題になった『横浜駅SF』なんかはネットのカクヨムを経由してラノベ新書扱いで刊行されてたりして、発表形態の多様化を実感しますな。

あ、新人や若手だけじゃなく、山本弘や菊地秀行、新井素子などのベテラン勢もしっかり新刊出して頑張っておりますね。