あいつの名は~ポリースマーン♪

ということで今回はこちら!

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ハヤカワ文庫FTを中心に20点。

クリスマスシーズンなのでね、ファンタスティックな物語でお楽しみいただければ。

とはいえ、私の好みは『地上最後の刑事』なのですがw

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これは、地球に小惑星が衝突する直前にもかかわらず、殺人事件を捜査し続ける刑事の物語。

3部作なのですが、残念ながら第2部以降は今のところ文庫化されていないようですね。

私は3部作をポケミスで読んだのですが、SF設定とミステリの塩梅が秀逸で、どちらのファンが読んでも満足のできる内容です。

個人的には、人々が好き勝手に生きているカタストロフ直前の世界にあって、“自由意志”で義務を遂行する主人公に姿にグッときてしまいます。

破滅に直面したとき人々はどのような行動を取るのか? という物語は「宇宙戦争」の昔から数多くの名作が生み出されてきたSFの主要テーマですが、これも将来その列に加わるにふさわしい作品だと思います。オススメ!

 

あ、今回のタイトルはこちらから↓

コサキンリスナーだったのでw

「侍女の物語」のお話

今回の入荷はこちら↓

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コバルト文庫中心に15点。

コバルトに引っ張られたわけでもないんですが、ジュブナイル&コミカルな作品が集まりました。

と言いつつ、神林長平や円城塔を単純にコミカル扱いしていいのかどうかは難しいとこですが、そういう方向でも楽しめますよと言うことで(神林作品はメタレベルのドタバタ(メタバタ)などと呼ばれてましたしね)

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ということで、これから先は今回のムダ話

最近、WOWOWで始まったので遅まきながらドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」を観ているのですが(元々はHuluのオリジナルドラマなのです)、原作と比較すると面白い違いがあるなぁなどと思いましたのでその辺を少し。

原作はマーガレット・アトウッド『侍女の物語』で、刊行当時だいぶ話題にもなったのでご存じの方も多いと思います。

舞台は近未来、原因不明の不妊症が蔓延している世界で、アメリカ合衆国では革命によりキリスト教をベースとした支配体制が敷かれることとなる。

新たにギレアデ共和国となったこの体制下では、妊娠可能な女性は「侍女」として支配階級の家に派遣され、そこの主人(司令官)と義務的作業として意にそぐわぬ性行為を強いられる……

以上が基本設定なのですが、これ、SFとしては弱すぎると思いませんか?

出産率が極端に低下しているという非常事態下とはいえ、アメリカ合衆国がギレアド共和国に取って代わられるという設定は説得力に欠けますし、妊娠可能な女性は国家的財産としてもっと丁重に扱われるはずです。

侍女が司令官とだけ(公式には)性行為を行うというのもおかしくて、出生率を上げるのなら子どもを設けたことのある男性たちと組織的に性行為を行わせた方がはるかに効率的です(小松左京『復活の日』で確かこんなことしてましたね)

でも、これは仕方ないというか、この指摘自体が筋違いなのです。

なぜなら、アトウッドは本作をSFとして書いているわけではないから。

この設定は、女性が出産の装置として支配階級に所有されるという状況をこしらえるために、アトウッドが考え出した文学的舞台装置に過ぎないからです。

ところが、ドラマではこの設定をSF的に真面目に引き受けて、そのディテールを補強しようと様々な描写を付け加えています。

そもそも革命はどのように始まったのか、諸外国はどのような対応を取っているのか、抵抗勢力の動きは等々……。

そして設定を補強したが故に、ドラマはシーズン1を終えて、原作とは全くテイストの異なる物語として展開し始めました。

一人称を用いて女性のパーソナルな内面を描いていた原作と異なり、シーズン1で原作を消化したドラマの方では、今後は設定を活かしてより大きな社会構造を描くドラマになっていくようです。

具体的に言うと、抑圧からの解放を求める闘争の物語になるのではないかと。

シーズン1最終回の“赤の行進”シーンが公民権運動におけるデモ行進を連想させるのも、おそらくは意図的なのではないかと思います。

実は私、原作から作品評でよく語られるフェミニズム的な主張をあまり感じませんでした。

もちろん、残酷で許しがたい設定からそこにフェミニズム的な主張を見出すのももっともですが、私にはもっと個人的な「女性なるもの」を描いているのではないかと思えたのです。だからこそ、一人称を用いているのではないかと。

原作を離れてシーズン2に入っていくドラマでは、政治的な設定を加えたことで原作以上にフェミニズム的な物語になるのかもしれない。むしろフェミニズムを足がかりに、抑圧への抵抗そのものの物語になるのかもしれないな、とそんなことを思いました。

ターミネーター:ニュー・フェイトはあれでいいんか?

いや、面白かったけどさ。

あれって、再結成したバンドが昔のヒット曲やればそりゃ盛り上がるでしょうよ! っていう面白さなんだよね。

いや、前作の「新起動」がイマイチだったのはそのとおりなんだけどさw

アッチにあったチャレンジ精神(つかなんか目先の変わったことやってやろうイズム)は忘れちゃなんねぇと思うのよ。

年末の「スターウォーズ」がどうなるかってのもあるし、シリーズものとは難しいもんですなぁ。

配給関係の問題があったとはいえ、スパ○ダーマンなんてリブートしすぎてワケわからんことになってるしw

 

とまぁ閑話はここまで

1週間空いてしまいましたが……

2週ぶりの入荷案内、今回は創元推理文庫(SF文庫)から17点でございます。

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ヴェルヌの古典からE・E・“ドック” スミス、アシモフ

バラード、ニーヴン、マキャフリー、ゼラズニイと有名どころが揃っております。

で、個人的にオススメはこちら

ジョン・ヴァーリイ『バービーはなぜ殺される』

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基本的には短編派の私、ヴァーリイも長編よりも短編の方が好きだったりします。

ちなみに旧版の表紙は「サイレントメビウス」などの麻宮騎亜なんですねぇ