わたしの原点(図書室のにおい込みで)

今回は岩崎書店のSF少年文庫ほか38点をアップしました。

SF少年文庫は全て函無しですが全巻揃ってます。

SF少年文庫はですねぇ、とっても思い出深い叢書だったりするのですよ。

小学生時代の私が初めてSFってもののキモ、SOWを感じたのが『時間と空間の冒険』所収の「人工宇宙の恐怖」でした。

エドモンド・ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」の児童向け翻訳だったんですが、世界の巨大さと自分の矮小さを同時に体感してしまって、非常に恐ろしい思いをしたのを覚えてます。

いま思えば、パースペクティヴが揺らぐ感覚を味わったんでしょうね。

それ以来、そういう感覚を再び味わいたくて、SFやら幻想文学やらにのめり込んでいったんだんじゃないかと記憶してます。

とまぁ自分語りはさておいて。

個々の作品をみると、アシモフの変名作品(ポール・フレンチ)や「冷たい方程式」で知られるトム・ゴドウィンの長編が入っていたり、日本作家の貴重作(『百万の太陽』等)を扱っていたりと、なかなか興味深いラインナップになっていますね。

当時(1970年代)のSF出版の活況ぶりが垣間見えるようです。

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空想書籍専門店主なりの「この世界の片隅に」推薦文

公開後、各所で絶賛の「この世界の片隅に」

私も先週鑑賞してその絶賛の列に加わっているのですが……

この作品、人に勧める際にどう言ったもんか?とけっこう困るんですよね。

あのイメージビジュアル(すずさんが畑にしゃがんでるアレね)が気になった人や、太平洋戦争末期の市井の人びとの物語だよと聞いて興味を持つ人は大丈夫。

困るのは、上記のような情報から「戦争の悲惨を訴える、文科省推薦名作映画」臭を感じ取って、それに抵抗を感じちゃう人に勧めるとき。

鑑賞した人なら分かると思いますが、この映画、戦争の悲惨を声高に「訴えない」し、決してステロタイプの「文科省推薦映画」のようなものではないのですよ。

テンポはいいし、なにより笑える。

ワハハハ、フフフフとニコニコ顔で鑑賞しているうちに、様々な感情が染みこんでくるというタイプの作品なのです。

 

と、いうことで今回は、片渕須直監督のファンとして、監督の作風の一部だけ取り出して「この世界の片隅に」を勧めてみたいと思います。

~~~~以下、推薦文~~~~

片渕監督は、物語の舞台を作り込み、そこで生活している人々の暮らしを活写していくことで作品世界を強固に構築する作家です。

長編初監督作「アリーテ姫」の架空の王国や「マイマイ新子と千年の魔法」の昭和30年代の防府、はては「BLACK LAGOON」の東南アジアの犯罪都市ロアナプラまで、世界を丁寧に構築する姿勢は一貫しています。

この姿勢は「この世界の片隅に」でも当然貫かれており、街や生活風景の描写を重ねることで、その世界の人々がどのようなメンタリティを持っているかまでを見事に浮き上がらせてくれます。

そしてそのような緻密な描写が単なるテクニック披露にとどまらず、ストーリーの根幹にまで密接に関わってくるのが、片渕監督の作風の大きな特徴の一つであり、私が魅了されている部分なのです。

「アリーテ姫」に、次のような趣旨の台詞があります。

「(塔から街を見下ろして)一つ一つの屋根の下にそれぞれ人がいて、みんな自分の心を持っている。それを想像すると圧倒されてしまう」

監督の作風を表すのに、これほどふさわしい台詞はないと思います。

~~~~ここまで~~~~

 

ということで、書きましたが。

なんでこんなこと書いたというと、私が愛してやまない空想書籍を好む人って、こういう作風も好きだと思うのですよ。

例えば、トールキンが創造した“中つ国”やマーヴィン・ピークが綴った「ゴーメンガースト城」など。

緻密に構築されたフィクション世界が好きだ!という人は片渕監督の作品にぜひ触れて欲しいと思います

【参考に】
Gigazineのインタビュー記事(http://gigazine.net/news/20161111-sunao-katabuchi-interview/)など見ていただけると、上記の話の補完になるかなぁと思います。

【余談その1】
劇場パンフレットがとても良い出来なので、売ってたらぜひ買いましょう!

【余談その2】
ゴチャゴチャ書きましたが、マッドハウスとかMAPPAとか聞いておっ!と思う人は迷わず観に行ってください!w

ぼくらの頃はソノラマであり、笹本祐一でした

ソノラマ文庫のアップも今回で一段落、43点アップです。

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タイトルのとおり笹本祐一を中心に集めましたが、やはり、ぼくらの世代には思い入れの深い作家さんです。

特にデビュー作の「妖精作戦」シリーズは高校生くらいに展開されていたこともあって(歳がばれますねw)、かなりの影響を受けました。

旧版カバーイラスト(平野俊弘の前)の妙なポーズをまねしてみたり、舞台の国立市に行ってみたり、オールナイトで映画を観て、始発の中央線に乗ってみたり――。

いや、こっぱずかしいですね。いろいろ思い出しますw

とまれ、今月中には早川から(!!)新刊も出る予定ですので、この機会に初期作品を緑背のソノラマで読んでみるのもよろしいのではないかと。

ちなみに次回は、秋元文庫あたりをアップできるかと。

ぼくらの頃はソノラマでした(その3 菊地と夢枕、渡邊由自について)

さてまたまたソノラマ文庫を33点アップです。

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今回は菊地秀行「八頭大(トレジャー・ハンター)」シリーズ、夢枕獏「キマイラ・吼」シリーズのほか、渡邊由自の作品を「エルガイム」ノベライズ等々集めてみました。

さてさて、渡邊由自ってご存じですかね?

年季の入ったアニメファンなら「ダンバイン」や「エルガイム」のメインライターの一人だといえば分かっていただける思いますが……。

テレビドラマに詳しい人なら「傷だらけの天使」で小松政夫が出てくる回を書いた人ってことでピンと来ていただけるかな?

この人の特徴としては、上記の「傷だらけの天使」脚本回でも顕著な、テンポのよい自然な会話。これに尽きると思います。

「ダンバイン」脚本回も、ダイアログの違いで富田祐弘脚本回とすぐに見分けが付きますし、シリーズ構成を担当した「エルガイム」では、特に前半でその持ち味を充分に楽しむことができます。

というわけで、そんな渡邊由自氏の作品。正直いまいちマイナーなんですが、興味があれば手に取ってみてください。

あ、ぼくらの世代的にはハイスピード・ジェシーもありますね!

もう少ししたら、この辺は在庫を増やせるかもなので、そのときにまた!