GWも通常営業ですっ

昭和の日!
今回はこちら!

単行本と新書を11点!

諸星大二郎の短編集と平井和正の高橋留美子評論書のコミック関連書を両端にして、いろいろ挟まれております。

なお、今日からGWですが当店は通常営業です。

発送は土日祝日お休みになりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

改めたり増やしたりして出ています

今回はこちら↓

前回に引き続き、ハヤカワ文庫JAを15点!
2000年代以降の作品が集まっております。

このなかで

神林長平『戦闘妖精・雪風<改>』は元の『戦闘妖精・雪風』からちょこちょこ手の入ってる、文字どおりの<改>稿。
実は「S-Fマガジン」連載時の表現に戻ってる箇所もあったりして、読み比べるとなかなか面白い。

菅浩江『そばかすのフィギュア』は初期短編集『雨の檻』に未収録作を新たに加えた増補版。『雨の檻』は読みましたが、繊細な作品が多かった印象があります。
初版’93年だそうなので、新しい作品が入った上で手軽に読めるようになっているのは個人的に嬉しいですね。

ゴジラとか芥川賞とか

今回はこちらです↓

15点!

星雲賞やら芥川賞やら受賞してて、最近は「ゴジラS.P」の構成・脚本もやってる、作品も含めてなんだかスゴい円城塔+最近(1000番台)のハヤカワ文庫JAを集めてみました。

ちなみにワタクシ、“なにやら小難しそう”という理由で最初は円城塔を敬遠していたのですが、『屍者の帝国』がものすごく面白かったので、その勢いで『Self-Reference ENGINE』を読んだらまぁこれが面白いこと!

いまや、2000年代デビューの作家さんのなかでは一番のお気に入りになっております。

FOR OUR FUTURE CHILDREN

今回はこちらです↓

文庫が14点!
珍しくライトノベルが何冊か入っております。

この中で、「ドラグネット・ミラージュ」は前回入荷しときに、今は「コップクラフト」でシリーズ継続中ですよーてなことを言ってオススメしたかと思うのですが、今回取り上げたいのはあと一つ「ブレイク-エイジ」の方です。

 

「ブレイク-エイジ」って言っても何じゃそれは?って人が多いと思いますが、もともと馬頭ちーめいの漫画でして、デザインその他スタッフワークとして参加しているSTUDIOねむとの共同名義で発表されています。

で、そのあらすじは……

“21世紀初頭、ネットワーク型ロボットバトルシミュレーション「デンジャー・プラネット」を巡る、少年と少女の物語”

と書くとなにやら固そうですが、コンピュータゲームの世界を舞台にした青春ラブコメだと思ってもらってまず間違いないですw

さてこの漫画、魅力はいろいろとあるのですが、個人的には 架空のゲーム「デンジャー・プラネット(DP)の魅力 がデカい。

DPはゲームセンター「コニーパレス」で稼働している体感型ロボットバトルシミュレーターで、ネットワークで全国のゲーセンと繋がっているのが特徴。バトルロイヤルやフラッグ戦など様々な形式で多人数対戦ができます。
現実だと「戦場の絆」をイメージしてもらえると近いかと。

そしてもうひとつ、DPの大きな特徴となるのが、プレイヤーがゲーム内で操縦するロボット「バーチャル・パペット(VP)」の存在。

VPには大型から小型のものまであり、なかには空を飛べるもの(一応VUとして別カテゴリ)まであります。
ゲーム内には複数の機体が用意されていて、もちろんそれも使用できるのですが、VPの面白さはなんといっても機体のカスタム!
VPはシステムが許す範囲であればカスタマイズが可能なんですが、この「システムが許す範囲」がすごくて、腕に覚えがあれば骨格どころかビス1本からのカスタムも可能という自由っぷり。

主人公の乗る「九郎」やヒロインの操る「ベンケイ」もフルカスタム機なんですが、物語が進むにつれて、ライバルに勝つために極端に軽量化したり武装を変えたり、果ては合体機能まで備えるなど、キャラクターたちが試行錯誤しながらカスタムの腕を上げていくのも読みどころのひとつになっています。

主人公の駆る「九郎」(左)と「ロアゾオ・ブルー」に登場する主役機(右)
[出典:『ブレイク-エイジ・オフィシャルワークス』]
骨組みが剥き出しになる独特のデザインも魅力の一つ

ところで、こういうカスタム可能な機体を操縦してネットワーク上で戦うゲームって、何か連想しませんか?
そうです、この作品、設定的にはオジサン世代が夢中になった「プラモ狂四郎」の子孫で、ついこの間まで配信されていた「ガンダムビルドダイバーズ」のご先祖様でもあるんです。

“オレの作ったロボットで戦うぜ!”みたいなのが好きな人には、ホントにたまらない作品だと思います。

そして、こういうワクワクするようなゲーム世界を舞台に展開される、少年少女たちのコミカルで、時にシリアスな物語もこの作品の魅力の一つ。
面白い漫画の必須条件として、魅力的なキャラクターたちが作品の中でイキイキと躍動していることがあると思いますが、「ブレイク-エイジ」にもその条件がピッタリと当てはまります。

で、このような漫画の魅力をそのままに、活字を使って世界を広げたのが小説版というわけです。

こちらは売り物ではなく私物のコレクション。
このほかに「ブレイク-エイジ」はコミック1巻をベースにOVAも製作されています。

↑コレを見ていただけるとお分かりかと思いますが、ワタクシ自身「ブレイク-エイジ」に夢中だった一人なんですw
就職したての頃、友人の家でなぜか3巻を読んですぐにハマったのを思い出すなぁ。

ちなみに、小説版でオススメなのは、最初に書かれた「戦士たちの夏」(篠崎砂美 著)
少年の成長をゲームを通じて描いた、とても優れたジュブナイルです。

いまでは電子版で比較的手軽に読めますので、まずはコミックを試していただいて、気に入ったら小説の方にも手を伸ばしていただけると、ファンとしては嬉しいなぁ。

さっきも書きましたが、「プラモ狂四郎」や「ガンダムビルドダイバーズ」が好きな人にはホントにオススメの作品です!

ぜひ!

文系SF読みのシン・エヴァンゲリオン劇場版雑感

タイトルの話の前に、まずは今回の入荷案内を↓

ハヤカワ文庫JAを14点!
1980年代~2000年代まで新旧いろいろでございます。
短編集が多めになってますので、ひとつよろしくお願いします。

 

さて、本題です。
公開から1ヵ月近く経ちましたので、もうそろそろネタバレだの気を遣わなくても大丈夫でしょう。

とはいえ……

ここから「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の感想になります。
内容に触れずに書くのは困難なので、ネタバレなど気にされる方はご注意ください。

 

さあ、お約束の警告もしましたよ!w

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版(長いので以下、シン劇)観ました!
もうすでに各所でいろんな感想、評論、考察が溢れていると思いますが、ここでは文系SFファンの視点での感じたあれこれを書き散らかしておこうかと思います。

 

1)新設定(?)「エヴァンゲリオンはループしている」

シン劇で導入された(若しくは明確にされた)大きな柱に「エヴァンゲリオンという物語は何周もループしている」があります。
エヴァの世界は一つの物語であって、劇中の人物はそのストーリーを何回も何回も繰り返して試行しているのだという設定です。

小説でいえばボルヘス「円環の廃墟」やディック「時間飛行士へのささやかな贈り物」
映画では「恋はデジャ・ヴ」が代表的なところですが
最近の人なら「魔法少女まどか☆マギカ」や「エンドレスエイト」といった方が話が早いかもしれません。

私はそうきたか!と思うと同時に、そうするしかないよなという気分にもなりました。
庵野秀明はこれまで何回もエヴァンゲリオンを終わらせようとしています。
で、そのたびに失敗してます。皆さんご存じのとおり。
それらの失敗を全部引き受けて、なおかつ出口に導くには、この設定以外の方法はあり得ないからです。

つまり、TV版、旧劇場版そして新劇場版、さらにいえばゲーム「鋼鉄のガールフレンド」やオルタナストーリーの「ANIMA」も、実在した「何周目かのエヴァンゲリオン」ということです。
「さらば、全てのエヴァンゲリオン」というのは、そういうことです。

さらにいうと、冒頭のパリ対決のシーンは「ふしぎの海のナディア」を連想するし
エンディング実写パートの山口県宇部は「式日」の舞台という具合に
庵野のフィルモグラフィーそのものの総括でもあるのかなという気もします。
気づきませんでしたが、探せば「ラブ&ポップ」などを連想する部分もあるかもしれません。

 

2)真希波・マリ・イラストリアスの謎

エヴァ搭乗者として設計されず、そもそも14歳でないことが明らかになったマリですが
歳を取らないのはエヴァの呪い(そういうものだと思え!)だとして、そもそもどうしてエヴァに乗れたのかは疑問として残ります。
エヴァがループしているという設定に則れば、これも今回の周回でユイの後にエントリー実験を行った最初期の被検体だったとでも考えると理屈はたちますが……。

観た方はお分かりのように、今回のシン劇ではマリの存在はかなり重要です。
ラストにシンジの側にいるのが母親or姉妹のレイではなく、初恋のアスカでもなく、成長の過程で出会ったマリだというのは作品のテーマと相まってとても説得力があります。
だれかが(Twitterだったかな?)で「最後に主人公=庵野の側にいたのは、マリ=安野モヨコだった」てなことを言ってましたが、スゴく腑に落ちましたね。

 

3)渚カヲルの謎

終盤、渚司令なる立場で出てきますが、あれはなんだったんでしょう?
前述の設定を鑑みると、ゲンドウが早々に退場した後にNERVの司令についた何周目かの姿だということかもしれません。

また、ちと飛躍すると、あのカヲルはゲンドウだったのだという考え方もあります。
旧劇版で、ゲンドウがアダムを手のひらに取り込んでいたことを思い出してください。
ゲンドウに取り込まれたアダムが逆にゲンドウを侵蝕して使途=カヲルになったのかもしれません。
これだと、自分をゲンドウに渡した加持をリョウちゃんと親しげに呼ぶのも分かりますし
なによりラストシーンでレイ(要はユイ)とカヲル(つまりゲンドウ)が一緒にいることの説明もつきます。

とはいえ、これも私なりの一つの解釈なので
ホントのところは分からないし、分からないでいいんです。
そういう隙を意図的にたくさん残しているのが私たちの知ってるエヴァンゲリオンだし、それこそが25年もオタクを惹き付けている要因なので。

 

このほか、もちろんサービスサービスぅ!な部分も満載で
ヴンダー戦がいちいちNノーチラス(つかヤマト)みたいだとか
最終決戦の同型艦との闘いは沈黙の艦隊だな!とか
一番良いところでさよならジュピターなのかよ!とか
実は情報量が多くて映画的に見どころあるコミューンのシーンとか
やっぱり肉は喰わないんだな!w とかとか
いろいろいろいろあるんですが、まぁそこら辺のオタクヨタ話は言い出したらキリがないので、友達とリモート飲み会とかで存分に語り合ってくださいw

 

ちなみに一緒に観た友人と共通の感想は
シン三部作(勝手に呼んでいる)の三作目、シン・ウルトラマンも期待できるな!
でした。

自分の中で大きな宿題にケリをつけた庵野秀明が、次に何を見せてくれるのか
そういう興味を抱かせてくれるのが、今回のシン劇でありました。
でなきゃ「幕末太陽傳」のシナリオ版よろしく、空撮で物語の外に解放していくラストになってる意味がないじゃないですか。