ソフト発売記念!「ブレードランナー2049」考察 第3回

20180303_174943

我が家にもBlu-ray届きました!

さて3回目は、いったい、デッカードとレイチェルの子供は誰なのか? という点です。

劇中で答えが示されていますので、気にならない人もいるでしょうが、私には全く納得できません。

前2回で書いたとおり、この作品の根底には「信用おけない語り手による物語」という部分があります。

迷宮に迷うことを意図されている物語であるならば、その意図に乗って、いろいろと推理をめぐらせるのも面白い遊びでしょう。

 

4)誰がデッカードとレイチェルの子供なのか?

アナ・ステライン説

劇中では、レプリカントの記憶デザイナーである彼女がデッカードとレイチェルの子供だとされています。

いるのですが……。

これ、納得できますかね?

終盤、巧妙なモンタージュで観客を説得にかかってきますがw 彼女が二人の子供であるという根拠がないことは明らかです。

レジスタンスのリーダーから、産んだのは息子ではなく娘だと言われたKが、木馬を見て涙を流した彼女の様子から推察したに過ぎません。

そもそも、彼女は(模造にせよ実際にせよ)8歳まで両親と暮らした記憶を持っており、孤児が木馬を隠した記憶などは持っているはずがないのです。

 

K説

アナ・ステラインが二人の子供だとされるまで、観客をミスリードし続けるのがこの説です。

なのですが、上記の通り、この説が否定されるのは、K自身がレジスタンスのリーダーの言葉を真に受けて、アナが娘なのだと合点してしまうためです。

はたして、Kは本当に二人の子供ではないのか?

確かに、Kが子供でない(保護する必要がない)からこそ、レジスタンスのリーダーは彼に決死としか思えないデッカード殺しを命ずるのでしょうが……。

考えてみると、レジスタンスのリーダーであるネクサス8型レプリカントも謎の多い存在です。

パンフレットの年表だと、ネクサス8型の普及は2020年以降のはずで、2021年生まれの子供の誕生を見るには、最古のモデルでもギリギリのタイミングです。

となるとレジスタンスのリーダーは、製造された直後から、オフワールドでの労働にも就かずに、ロサンジェルス近郊で反乱の意志を持っていたということになってしまうのですが、どうなのでしょうか?

ちなみに、神話的モチーフという意味では、親殺しは主人公の再生を暗示する意味で、説得力のある展開ではあります。

 

ラヴ説

実は私が鑑賞中考えていたのはこの展開です。

冷酷なレプリカントというキャラクター造形でありながら、殺人の際に涙を流すなど、終始人間的な彼女が実は……、と思っていたのです。

ウォレスも彼女を特別に扱っていますし。

ですが、そうするとウォレスが彼女を手元に置いておきながら、なおかつ二人の子供を探すことに執着する意味が分からなくなってしまいます。

ウォレスはネクサス9型の誕生に立ち会っているという描写がありますので、ラヴが子供だと気づいていないということはまずあり得ません。

 

マクガフィン説

「マクガフィン」とは、ヒッチコックいうところの物語を推進するための小道具のことです。

こけ猿の壺とか、マルタの鷹とか、ドクロストーンとか、そういったもんだと思っていただければw

上記のように、幾人か候補がいながら、各々どうにも決め手に欠いていることを考えると、こんな具合に思えてもきます。

劇中に、デッカードとレイチェルの子供は登場していないのではないか?

子供とは、物語を推進するためのマクガフィンに過ぎないのではないか?

私たちは出口のない迷宮で迷わされただけなのでしょうか?

あたかもカフカの小説の主人公のように。

 

実際に双子だった説

劇中では男女の双子が産まれ、一人は子供を隠匿するためのダミーだったとの前提で物語が進みますが、本当に双子が生まれたのだとしたら?

Kとラヴがその双子だったとしたらどうでしょうか。

ウォレスが子供に執着するのは、ラヴの他に産まれた、もう一人の子供を探しているのだと考えることはできないでしょうか?

飛躍を承知で考えると、物語の終盤、デッカードをめぐって嵐のような大水の中で争うKとラヴは、聖書におけるノアの息子たちをも想起させます。

 

 

以上、鑑賞後の考えを列挙してみましたが、劇中の描写などを考え合わせるといずれも決め手に欠けます。

個人的には、Kが親(デッカード)を手放す(擬似的に殺す)ことで、人間として再生したと解釈したいところなのですが……。

 

さて、メモの域を出ないこの書き飛ばしはあと一回続きます。

そもそもドゥニ・ヴィルヌーヴのファンですので、その視点で書いておかないと。

広告

ソフト発売記念!「ブレードランナー2049」考察 第3回」への1件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中